株式会社グローバルオーシャンディベロップメントは、日本郵船グループの一員として、海洋資源開発ならびに海洋地球観測などを使命とする大型船舶に海上職員を派遣し、海洋科学の発展ならびに海洋資源開発に貢献しています。
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私の仕事地球深部探査船「ちきゅう」船長:前川 琢巳

One Teamで「ちきゅう」のミッションに挑戦

職場(本船)の紹介
 「ちきゅう」は海の底を深く掘るために作られた地球深部探査船で、海面上からの高さが約120mもある巨大なデリックの青色と、クレーンの黄色と、船体の白色のコントラストがまるで宇宙から見た地球のように美しい船です。
「ちきゅう」には「生命の起源の解明」「巨大地震発生過程の解明」「人類未踏のマントル試料採取」という大きなミッションが掲げられています。
このミッションを達成すべく、そのテーマごとに世界各国から乗組員や研究者が乗船して来ます。本船専属の乗組員だけでも7カ国から集まっており、科学掘削中は各国からの研究者もそれに加わり、世界十数カ国の人々が運命共同体となります。その名の通り、まさに小さな地球と言えます。船の最大搭乗人員は200名で、普通の船に比べるとかなりの大所帯です。船内の公用語は英語なので、乗船すれば気分はもう外国です。掘削船は長い時で半年以上も同じ地点で掘削作業を行うので、掘削資機材の搬送や、食糧、燃料の補給はサプライボートという支援船から洋上で受け取ります。乗組員の乗下船はヘリコプターで行います。船に乗る前に空を飛ぶなんて「ちきゅう」ならではです。

現在の業務
 地球の生命の始まりは太古の海に始まったと言われています。そこから気の遠くなるような年月を経て変異進化を遂げながら陸へ上がり、生命圏を拡げ多種多様な生物種を生み出しました。その中でもヒトは更なる進化を遂げ今の繁栄を築きました。今その繁栄の下、最先端技術を搭載した「ちきゅう」が今また深海へと挑戦する時を迎えています。
「なんと壮大なスケールなんだ!!」と勝手に完全に打ちのめされた私は、2009年当時航海士をしていた一般商船会社を辞め、「ちきゅう」に乗る事を決意しました。2009年6月にDPO(Dynamic Positioning Operator)として着任し船の定点位置保持の技術を習得し、その後HSQE Officer(安全担当)、一等航海士を経て2021年12月に「ちきゅう」船長となりました。私が勝手に打ちのめされて「ちきゅう」に乗組んで早13年。「壮大なスケール」の「ちきゅう」プロジェクトは未だ道半ばです。
 科学掘削は常に前人未踏の領域へのチャレンジであり、自然は決して易しくないのです。研究者と乗組員と全ての関係者がOne Teamになってこれからも「ちきゅう」の飽くなき挑戦は続くのです。

仕事する上で大切にしていること  
「ちきゅう」のミッションを成功に導くカギは「コミュニケーション」だと思っている。誰でも何でも声を上げる土壌とその声を拾い上げる懐の深い船内にしたいと思いながら普段からリラックスして過ごすようにしている。一方で、運航部門の責任者が船長とすると、掘削部門の責任者がOIM(Offshore Installation Manager)であり、OIMとは2トップの関係なので緊密に連携を取り、常に相談しながら船の安全運航、安全操業に取り組むよう心掛けている。
「ちきゅう」誕生は、そのプロジェクトの構想段階を含めると優に30年を超えてそれ以上に遡る。そこには多くの人たちの想いが詰まっており、また「ちきゅう」の成果に多くの人が期待をしています。過去、現在、未来の想いを乗せた箱舟を浮かべる事、掘進し続ける事、これをモットーに「ちきゅう」乗組員全員でミッションに挑戦し続ける事が出来ればいいなと思っている。
 
   



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