
マリンエンジニアリングの経験を活かし、探査機器の的確な整備・運営を目指す
■ 職場(本船)の紹介
 | | 「資源」は海底地層を調査し、主にガス田や油田などの探査を行っています。海底地層を調査する特徴的な方法としてエアガンとストリーマーケーブルを利用します。エアガンから出された高圧空気の音波が、地層境界で反射し音波信号として返ってきます。この反射波を曳航されるストリーマーケーブルに埋め込まれた受信器が受信します。「資源」は観測・探査機器の展開を効率的に実施する為、三角おにぎりの様な独特な船型となっています。船尾側のストリーマーデッキと呼ばれるところには、ストリーマーケーブルウインチが設置され、その下部のガンデッキには作業艇およびガンアレイ(エアガンを配列する装置)が収納されています。これらデッキの最上層部に、ヘリデッキもあります。観測中、10本ものストリーマーケーブルを曳航している為、警戒船2船を船首船尾に配置して他の航行船舶に対して注意を促しています。 |
■現在の業務
私は観測調査員のメカニック職として乗船しています。メカニックは調査機器であるガンアレイとデフレクター(ストリーマーケーブルを横列に配列する装置)などの重量物を油圧機器を利用して展開・揚収する作業を行っています。また資機材搬入出のためのクレーン操作、
ガンデッキにあるワークボートの出入艇用のウィンチ操作も行います。これ以外にも数多くの油圧機器の操作に加え、観測に関係する油圧機器について保守・整備して、観測に支障がないように努めています。
この他にもガンアレイにぶら下がっているエアガンの定期的な開放整備、放出されるエアーの状態(漏れの有無)の監視、機器類に故障破損などあれば修理・溶接なども行っています。メカニックは、観測機器類に関係するものすべてに携わっているので、幅広い知識や様々 な経験が必要とされます。
■新たな職種への挑戦
「資源」のメカニック職は、観測調査員としてSeismic観測を学ぶ必要があり、今までのマリタイムエンジニア職務に加えて、新たな職種への挑戦であると感じています。これまでのマリタイムエンジニアの経験から機械的なこと、船内生活については理解しやすかったですが、Seismic観測についてはストリーマーやエアガン等で海底地層を調査する程度の知識しかなく、最初の数航海の観測作業は、本当に苦労の連続でした。乗船1年程経過して、ようやく観測作業にも慣れてきました。今後の課題のひとつは、油圧装置のリモコン操作の習熟を通じて、重量物であるガンアレイやデフレクターの展開および揚収をより一層スムーズにできるようになることです。これらの重量物の移動作業中、人や他の物に衝突すると、怪我や破損事故になる可能性があるため、入念かつ慎重なリモコン操作が要求されます。また、ガンアレイやデフレクターが海中にあるときは船の進行方向や船速、海況、他の機器との位置関係等を考慮しつつ、ケーブルやロープの絡み他の切損要因を未然に防止する為の入念な操作が欠かせません。これら作業を安全に終えた時の達成感は格別です。「資源」における観測業務はとても奥深く興味も尽きません。今までのマリンエンジニアリングの経験も充分に活かせているので、とてもやりがいを感じています。