北極海航海について
  海洋地球研究船「みらい」は太平洋を中心に観測活動を行っています。北極海域でも観測したことがあります。今回の「かたふりコーナー」では、当社船舶部運航チームの木坂知明チーム長に北極海航海にスポットライトを 当てていただきました。

自己紹介:
現在、運航チームで「みらい」の安全運航のサポートをしています。船が観測航海するには、様々な危険や規制を伴いま す。それらの危険を予防したり、事故に対応する仕事です。例えば、北極海に行こうと思えば、北極海に関する国際条約、 アメリカの規則、カナダの規則、日本の規則を調べてクリアできるように準備しなければなりませんし、何か事故があった 時のことを考えて救助方法や保険手配もしておかなければなりません。誰もやったことがないような観測をできるだけ安全 に実施するという苦労があります。しかし、実際に北極海で観測する研究者、観測技術員、船長以下乗組員の方々の苦労に 比べればたいしたことはありません。
GODI船舶部運航チーム
  木坂知明チーム長

航路:

北極海には北西航路(カナダ側ルート)と北東航路(ロシア側ルート)があります。北西航路は、1903年〜1906年にかけて 3年掛かりでアムンゼンが史上初の北極海通過に成功。その後、1958年にはアメリカの原子力潜水艦ノーチラス号が潜航した まま通過して話題になりました。北東航路は、1879年に1年掛かりでノルデンショルドが通航に成功し、1935年にはヴァン ツエッティ号が砕氷船の支援を受けて貨物船として初めて通過しました。1978年以降は北東航路の海上輸送は通年ベースに 拡大され、戦略的輸送として発達しています。

北西航路北東航路

気象・海象:

北極海といえども夏季には平均気温がプラスになります。また、夏の終わりには北極海中央部の海氷だけが多年氷となって 融けきらずに残ります。この多年氷は年によって位置も面積も変動します。海氷の移動速度は、風速の5%程度で風速10m/ sの風が吹き続けると2km/hぐらいのスピードとなります。北極海の気象・海象情報は日本の天気予報のようにタイムリ ーでスピーディなものではありませんし、予報の信頼性もよくありません。

「みらい」の北極海域調査:

みらい」は氷を押し分けて進める砕氷船ではなく、ある程度の氷に耐えられる耐氷船です。砕氷船は氷に囲まれても氷を 割って進めますが、耐氷船は進めません。 「みらい」は氷縁に沿って開放水面を航行するというコンセプトで、北極海陸棚 域及び海盆域の海洋構造の変動と海水交換、北極海域における微量元素の分布、ボーフォート海陸棚における微量元素の地 球科学的特性、植物プランクトンの光合成特性等の観測をしています。そのために様々な深さの海水を採取して分析した り、大きな流氷に上陸して海氷を採取して分析します。
||| 北極海フォトギャラリー |||
北極海を進む「みらい」サンプルを採取する「みらい」の研究員

オッ!シロクマだ!!

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